不倫の恋が本気の恋へ

不倫の恋というと、肉体関係だけが主導するイメージが少なくないが、不倫の相手をする女は身と心を愛してくれる男を求めているような、そんな気がする。


男の不倫願望、不倫の恋がしたい、その根っこにある欲望はまさに性であることは否めないとしても、一方で「満たされぬ心が満たされたい」本能が、人を不倫に走らせるのもまた事実です。

さて、ブログには愛華と恋実という二人の女性との不倫恋愛について断片的に書き進めているのですが「サトミ」という女性もまた、私の不倫の恋には忘れてはならぬ存在です。

ここからはサトミとの不倫恋愛、その出会いとなるキッカケについて書き進めてみたいと思います。
休日ともなれば、本屋に行く機会が多かった。小説も情報もネットでいくらでも拾えるとはいえども、やはり紙の本には独特の哀愁がある…気がしていたからだ。

そうは言っても、読書が好きな訳でもない。ただ、経営者の立場上、色々な知識や価値観を身につけるには読書が最適と考えているから。ジャンルにはこだわらないし、特にどの作家が好きってものでもない。雑食的に字を読みあさることは自分にとってプラスであると考えていた。

――いつものありふれた休日の昼さがり、いつもの様に本屋へと向かう道のりを歩いていました。
国道と市道が交わる大きな交差点で、信号待ちをしている時、私の横に立ってた女性から心地の良い香水の匂いがしました。

私は何気なく彼女の顔を見ると、彼女もこちらを見て目が合いました。その時の彼女は上品な笑みを浮かべていましたが私はすぐに目をそらしてしまった。

それから電車に乗って渋谷駅で下車し、目的の本屋へと向かって歩いていると向かい風に流されたように、さっきと同じいい香りが私の鼻を刺激する。
その香りの方に目をやると、先程の彼女が本屋へ入って行く姿が見えた。


「あの人も本屋に……」そんなことを考えながら私も本屋へ向かった。
芥川賞・直木賞の各受賞作品が発表された直後だったせいもあり、受賞作はまるでビルの様に平積みされていた。それらの本を何冊か立ち読みしてると、先程の「いい香りが」背後から漂ってきた。

今まで気づかなかったが、確かにあの時出会った「いい香り」は私の正面から漂ってくる
。そうして、香りの主はゆっくりと顔を上げ私に向かって微笑んだ。

「こんにちは、よくここに来るんですか?」
「ええ、毎週日曜日には来ています。どこかでお会いましたっけ?」
「義男さんですよね?夜の六本木で何度かお会いしてますよ」
「あれ、もしかしてサトミちゃん?」
「そうです。やっと思い出しました? あまり席についてお話したこと無かったから…きっと覚えてないのかと」
「昼間見ると雰囲気違うからわからなかった」

それからお互い読みたい本や、おすすめの本を教えあい本を買って店を出た。
帰り際、せっかくなので「お茶にでも行こう」ということになり近くのカフェに立ち寄った。

「義男さんって結婚してるの?」
「してるよ。子供は居ないけどね」
「たしか、義男さんの会社って○○を作ってる会社でしょ? あれってどんなふうに作るのか興味があるの」
「ほとんどの人はあれが出来るまでのことは知らないと思うけど、そんなに興味あるの?」
「是非、教えてください!」
それから製品が出来るまでの苦労話や、面白話を彼女に話した。

彼女は私の話に色々な表情でリアクションを取り聞き入っていた。聞き上手な女性は美しい……。その時の彼女の目がキラキラしていたのが今でも印象に強く残っている。


――その日も、いつもの様に、渋谷駅を降りて本屋へと向かった。
本屋の入り口に向かって歩いているとそこに、彼女が立っていた。
「こんにちは。待ち伏せしちゃいました」
「いつからいたの?」
「お昼前から待ってました。少しでもお話ししたくて」
「この前のことだけど…本気なの?」
「迷惑だとはわかってますが結構本気なんですよ」
「そう…今日、時間あるの?」
「はい!」
「どこか行きたいトコある?」
「島に行きたいです。」
「島?…じゃぁ、連れてってあげるよ」
「えっ、いつですか?」
「今日。今から行こうか!」

それから、本屋へは入らずに2人で品川駅に向かい、品川から京急線に乗り、横須賀中央駅で降りた。そこから三笠公園に向かって歩くと東京湾唯一の天然島「猿島」が見えてくる。公園脇にあるフェリー乗り場から定期船に乗って猿島に着くと何とも不思議な気分になってくる。

東京湾に天然島があることすら驚きだが、うっそうと木々が生える島の中に居ながらも対岸に見えるランドマークタワーや千葉の工場群が見える。

彼女もその光景にしばし呆然と見つめていた。
「義男さんってよくここに来るんですか?」
「実は初めて来た。なんか凄い光景だよね」
「じゃぁ、義男さんと初めて来た人は私か…感激!」
「俺も、サトミでよかったよ」

それからの私達は、毎週日曜日毎にいろいろな場所に遊びに出かけては思い出を少しずつ共有するようになっていった。同時に、会って肌を合わせるたびに彼女の淫らで美しい魔力に溺れていった。
いつしか、サトミに対する気持ちは大きな意味を持ち始めていった。 サトミは私との時間を少しでも合わせたいと言って夜の仕事辞めて、自分から昼間の仕事を探し働き始めた。

不倫の恋が本気の恋になれば、人は人生のスイッチでも入るのだろうか、夜女が転身して日差しを浴びて働く姿は素敵に見えた。


時には、仕事帰りに待ち合わせをして食事に行ったり、近郊の温泉宿に1泊で小旅行に出かけたりするようになった。

「義男ちゃんは、私が思った通りの人だったよ」
「俺も、サトミをそう思う」
「男の人に対する見方が変わった。こんな男の人もいるんだって実感してる。私の言葉を真剣に聞いてくれるし会ってる時はいつも私と同じ目線で色々なことを考えてくれる」
「サトミだってそうだよ、ありがとね」

不倫恋愛中、サトミの目線の先にはいつも戸惑いがあったのは知っている。今までどんな男と付き合ってきたのかは知る由も無いが、きっとサトミの表面ばかりを見て内面の気持ちを知ろうとしない男が多かったのだろう。


私がサトミにしてあげられることは余りにも少なすぎるが、これから先は、サトミの表情や言葉を通して、もっとサトミの愛情の深さを知りたいと思った。それがサトミと不倫の恋に落ちる本当の意味なんだと……。

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