愛人とは思えない恋人のような愛人

不倫なり愛人関係なり…よくできた愛人体質の女性であれば、恋する若い男女のような恋愛感情はハナっから存在しないはずだ。

金銭を肉体で割り切らすことに徹した女性は愛人に向いているとしたら、なんでかな、愛人のサトミは交際が始まったばかりの恋人のようにふくれてみせる。

「こんなに近くに居るのに、なんで会えないの?」
愛人の関係が始まった当初のサトミはいつもこんなことを言って私を困らせていた。
そんな時は、いつも彼女に
「会いたいのは俺も同じだよ、でもね…」
「じゃぁ、いつも会いに来てよ!」
いつだって、彼女は最後まで私の言葉を聞かず自分の気持ちを精一杯伝えてくるのがクセな女の子だ。まるで、子供のように……
愛しているとか好きだとか、そういう感情に下手な細工を施して自己満足するような女では決してない。愛してくれているのなら気が狂うほど愛していると言われたい。自分という女に惚れているのなら気が狂うほど抱かれたい。愛なんてまさにガチンコ。たとえそれが短命であっても燃え尽きるまで燃え盛る愛の炎に包まれていたいと本気で考えるのがサトミという女性だ。

とはいえ、これまでワガママ言って困らせる彼女のことを一度も「面倒な女だな」とは思ったことがない。むしろ「素直で純粋な女の子」といった思いが強い。 もっとも、面倒な女は愛人にはできないが……


ある時、サトミは我慢できない自分の思いをぶつけてきた。
「義男ちゃんって、ホント器用な人だよね」
「俺のどこが器用なの?」
「だってね、私と会ってない時は他の人と会ってエッチして一緒に寝て、次の日には私と会ってご飯食べたりしてるんでしょ?」
「否定はしないけど、ただセックスがしたいだけの単純な気持ちで付き合ってるだけじゃないから。俺の気持ちの何を知って言ってるんだ?」
「知らないよ!だから、もっと知りたいよ! どうして毎日会ってくれないの? 週に何回とかそんな愛人契約結んだおぼえないし!」
「会うだけが目的なのか?それだけの付き合いで満足なのか?俺はそんなつもりはないから。君には単なる不倫恋愛に見えても俺には不倫であって不倫ではない。むしろ君と恋愛しているつもりだ」
「じゃ、義男ちゃんの気持ち教えてよ! 好きなの? 嫌いなの? もう飽きたの? どうなのよ! 」

涙声で訴えかけるように話すサトミに私は、本心を話した。
「自分の気持ちを相手に正確に伝える事は難しいことだけど、素直になった気持ちでサトミに言うと、『今会うことと、明日会うことの違い』それは時間だけの違いだけではない。サトミは今を大事にしたい、俺は明日以降の未来を大切にしたい。それに、本当に大切に思う相手には今を含めた未来を大切にしたいと思ってる。それが、俺が考えるサトミとの付き合い方だ」


その後、彼女は黙ったまま、ずっと泣いていた。 

「今会いたい」と言ったサトミには私の言葉は理解できないだろう。でも、私は本当の気持ちを伝えたのでそれが理解できないのであれば仕方が無いとさえ思った。

「彼女には『今会ってあげられる人』に 大切にしてもらった方がいいのかも?」 彼女は愛人体質ではない。恋愛体質なのだ。
サトミが泣いている間中、私はずっとそんなことを考えていた。

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